宝石のジルコンと、キュービックジルコニアはどのように違うのでしょうか?
ジルコンと、キュービックジルコニアは、どちらも合成石なの?
合成石で最も多いのは、天然ダイヤモンドの類似石です。
今回、「天然石」と「人工生産物」の大きな違いを書いてみました。
また、「人工生産物」にはどのような種類があるのでしょうか?
目次
宝石のジルコンと、キュービックジルコニアの違いは何なの
ジルコンと、キュービックジルコニアの大きな違いとは?
ジルコンとキュービックジルコニアは、一般的には同じ石と思われていて、しかも混同されて勘違いされています。
どちらも古くから、天然ダイヤモンドの代わりにジュエリーとして使用されていますから、宝石好きにはなじみがあるものです。
結論から言いますと「ジルコン」は「天然宝石」になり、地球で最古の宝石とされています。
一方の「キュービックジルコニア」は、天然ダイヤモンドとよく似た輝きを持つ「人工石」の事です。
天然ダイヤモンドと比べるととても価格も安いので、ファッションアイテムとして活躍しています。
ジルコンとは
ジルコンの宝石の意味
宝石としてのジルコンは、地球が誕生してから約46億年後のさらに1億6000万年後に最初の鉱物が生成されました。
それがジルコンで、地球上の最古の鉱物の種類として西オーストラリアで発見されました。
ジルコンは、とても高い屈折率とまばやく光り輝くのが特徴の宝石で、カラーバリエーションがとても豊富です。
因みにジルコンの屈折率は高い方で、1.925~1.984もあり、天然ダイヤモンドの屈折率の、2.417に近づいています。
無色のジルコンは、そのブリリアンス(暗い部分を明るくする作用)や、ファイアーと呼ばれる色の反射がある事で知られています。
このジルコンの持つ特性は天然ダイヤモンドの特性に非常に近く、その事から何世紀にも渡り二つの宝石は混同され続けてきました。
また、ジルコンには豊富な種類の色彩があるのも特徴で、様々な色合いは、コレクターの間や宝石好きの人に高い人気があります。
色の種類には、無色・ブルー・レッド・イエロー・オレンジ・ブラウン・グリーンと、本当にカラフルです。
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キュービックジルコニアとは
キュービックジルコニアの意味や価値
キュービックジルコニアは、1976年に誕生した「人工ダイヤモンド」で、可哀そうな呼び名では「ダイヤモンドの偽物」と呼ばれ続けました。
本物の天然ダイヤモンドのような高い屈折率があり、輝きや色の具合が天然ダイヤモンドにかなり似ていて、二つは素人では判別が難しいです。
キュービックジルコニアは、人工ダイヤモンドですが、「模造ダイヤ」と呼ばれて市場にも多く流通しています。
現在まで、天然ダイヤモンドの類似石はキュービックジルコニア以外でも複数生まれて存在していますが、毎年、類似石の生産技術は向上しています。
キュービックジルコニアの価値
キュービックジルコニアの価値は、残念ながら模造石ですから、正直に話しますと「価値はありません!」。
本物とされる「天然ダイヤモンド」の場合は、天然で採掘されるので量も限られていて、希少な鉱物です。
一方のキュービックジルコニアは、人工的に安価でどれだけでも作り出す事が可能ですから希少価値はありません。
このように大量に作る事の出来る大量生産品は基本的に付加価値は付かないですし、販売価格も低額ですから価値があるとは言えません。
ちなみにですが、楽天市場やAmazonなどでも500円~1000円前後でも多く出品されています。
天然宝石と合成石・人工宝石や模造石の違い
「天然石」と「人工生産物」の意味
宝石の業界では、大きく2種類に「天然石」と「人工生産物」と、区別しています。
天然石とは天然宝石の事で、人工生産物の石は、一般的に「偽物(にせもの)」と言われる事もあります。
人工生産物は、宝石としての定義から外れているので、日本の宝石鑑定機関などでは、人工生産物の石には「鑑別書」の発行はしていません。
また、グレーディングレポートの発行も行われていません。(2018年5月時点ですが、現在では一部の合成石では発行もあります。)
人造生産物とは、「合成石」・「人造石」・「模造石」の3種類と、「張り合わせ宝石」に分類されています。
下記に、それぞれについてわかる範囲で説明してみます。
天然石
天然石 = 自然界で長い年月をかけて生成された鉱物の種類。
自然の鉱山から産出した「天然の宝石」の事です。
天然石としての分類では、「完全に無処理のもの」と「処理をしたもの」の二つに分かれています。
宝石店に並んでいる宝石の多くは、「天然石」と表示されていますが、実際にはまったく処理をしていない石は意外と少ないです。
実は、店頭に並ぶまでには人間の手により何らかの処理をされている「処理石」になり、自然界にいる時よりも美しくなります。
人間に例えますと、素顔に化粧を施して、より美しく見えるように手を加えるようなもので、元は同じ人です。
処理の仕方にも色々ありますが、原石に熱を加える事で、石の色をより鮮やかに見せる「加熱処理」。
原石の内部の亀裂やキズに無色オイルをしみ込ませて、亀裂などを目立たなくし、色を鮮やかに美しく見せる「含侵処理」が有名です。
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合成石
合成石 = 自然界に存在する宝石を人工的に作ったもの。
人間の手で天然石とまったく同じように、あるいはまったく同一の化学特性や物理特性を用いてつくられた人工の宝石です。
化学組成と結晶構造は天然宝石と同じで、人工的に改良されて生成されているので純粋性が非常に高く、しかも天然よりも美しいものがあります。
比重や光の屈折率もほとんどあるいはまったく同じであり、特に合成ダイヤモンドに関しては見極めるのは非常に困難です。
通常、天然ダイヤモンドの検査にはダイヤモンドテスターを使用しますが、合成石でも天然石と判断されてしまいます。
鑑定機関の特殊な鑑別器械で鑑別しないと判別できなく、買取店を泣かせるのが、合成ダイヤモンドです。
現在、合成石は工業用としての用途がとても多くあります。
今では時計の文字盤をおおっている風防(ガラス)には、普通に「サファイアガラス」が使用されています。
これはガラスではなく、ガラスよりももっと手間のかかる透明度や表面に傷が付きにくい「合成サファイア」が使用されています。
人工的に開発され生成された合成サファイアが、天然サファイアのように硬度が高く、しかもひっかき傷にとても強いのです。
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人造石
人造石 = 自然界に存在しない石の種類を人間が創り出したもの。
人間が創り出したもので、自然界では存在が不可能な石の事です。
したがって、石の名前も化学記号のような名前が付いている場合も多く、ジュエリーとして市場に多く流通しています。
宝飾品では、キュービックジルコニアが有名で、ピアスやイヤリングの加工品として人気があります。
模造石(イミティーション)
模造石(もぞうひん)= いわゆる宝石の模造品で、ガラスやプラスチックで本物に似せて創り出されたもの。
外観上は宝石のように見えますが、内容や構成成分が違う物質で創り出されていて、「イミティーション」と言います。
多くは、ガラスやプラスチック、陶器などでつくられたアクセサリーが多いのが特徴です。
有名なものでは、スワロスキーやコットンパールがあり、ピアスやイヤリングに加工されているものも多く、お値段もお手頃です。
あくまでもイミティーションの部類ですから、本物と違うので万が一落としてもショックが少ないのではないでしょうか?
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張り合わせ石
貼り合わせ石は、異なる種類の石を張り合わせて、本物の品質の良い宝石のように見せています。
特に高級宝石として人気のある、10月誕生石の「ブラックオパール」に多いので、購入時には注意が要ります。
上手く張り合わせる事で、石が美しく、より色鮮やかに見せて、しかも本物より安く購入できますが、宝石としての価値はありません。
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