最近、合成ダイヤモンドがとても人気があります。
先日もNHK(おはよう日本)でも取り上げられるほどの話題性もあります。
合成ダイヤモンドと人工ダイヤモンドの違いは何なのでしょうか?
また、天然ダイヤモンドとの違いや価格や価値はどうなのかも気になりませんか?
宝石店に並んでいる宝石の多くは何らかの処理が施されているんです。
今回、合成ダイヤモンドと人工ダイヤモンドや天然ダイヤモンドの違い、
宝石を美しくするための天然石の処理方法について書いてみました。
目次
合成ダイヤモンドと人工ダイヤモンド
「合成ダイヤモンド」と「人工ダイヤモンド」の違いとは
最近では、宝石店のケースの中に輝いている無色で美しく輝いている石の中から天然ダイヤモンドを見分けにくくなっています。
「合成ダイヤモンド」と「人工ダイヤモンド」の違いと意味は、呼び方の違いで、どちらも同じものです。
合成ダイヤモンドは、別名では人工ダイヤモンドとも呼ばれていて、その名前が示すように人工的に合成されたダイヤモンドになります。
長年の研究開発によって誕生した、一般的には天然ダイヤモンドと見分ける事が難しいです。
合成ダイヤモンドは、人工ダイヤモンドやラボで製造されたダイヤモンドなどとも呼ばれ、世界中で採掘された天然ダイヤモンドと類似しています。
もはや宝石店の店頭に並んでいる場合には、目に留まったダイヤモンドが天然なのか人工的に作られたのかは判断するのは困難なレベルになっています。
購入する時には、天然なのか合成(人工)なのかを詳しく説明してもらい購入しましょう。
「合成ダイヤモンド」の意味
合成ダイヤモンドとは、人工的に製造される天然ダイヤモンドと同じ「科学組織」・「結晶構造」・「物理的特性」を持っています。
そもそも天然ダイヤモンドと成分が同じですから、今まではダイヤモンドの本物と偽物の分類に「ダイヤモンドテスター」で調べていました。
合成ダイヤモンドに試しにダイヤモンドテスターを当てると「10」の位の本物のダイヤモンドと表示されます。
このため熟練した宝石商や宝石買取店のスタッフや鑑定士でも目視だけでは区別ができない程成功で、鑑定には特別の機械が必要となります。
見た目は合成ダイヤモンドも天然ダイヤモンドと全く輝き方が同じに見えます。
現在、合成ダイヤモンドの主要な製造法は「CVD(CHEMICAL VAPORDEPOSITION)」と呼ばれる「化学気相蒸着法」です。
もう一つの方法は、「HPHT(HIGH PRESSURE AND HIGH TEMPERATURE)」と呼ばれる「高温高圧法」の2種類があります。
HPHT法は、中国の山東省にある工場で世界各国の宝飾業界のために無色透明な美しい人工ダイヤモンドが大量に製造されています。
宝飾業界では、人工的に造られた宝石に外観の似たものに対して「合成石(または人工、ラボで製造したもの」と「模造石(類似石)」に区分します。
合成ダイヤモンド(人工ダイアモンド)は、ラボや工場で機械で製造されるので、天然ダイヤモンドのように長い年月が必要がありません。
天然ダイヤモンドの類似石として人気なのは、「ジルコン」と「キュービックジルコニア」です。
これらは、天然石なのか合成石なのか、また、二つの種類はどのような違いがあるのでしょうか?
▶ ジルコンとキュービックジルコニアは本物の宝石なの意味や価値とは?
合成ダイヤモンド・人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの特徴と価格
合成ダイヤモンドの特徴とは
合成ダイヤモンドは人工ダイヤモンドとも呼ばれ、天然ダイヤモンドと同様に「炭素」を原料として作られます。
地球の内部で長い年月をかけて作られる天然ダイヤモンドに対して、人工的に成分を合成して再生されるのが合成ダイヤモンドです。
先ほども書きましたが、合成ダイヤモンドの生成技術は著しく向上していて、宝石のプロの鑑定士でも肉眼では天然ダイヤモンドと見分けるのが困難と言われています。
合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと比べて、硬度(石の硬さ)、熱や電気の伝導性、電子の移動度にとても優れています。
このような特徴から、研磨剤や切削工具、放熱板として使用されていて、1978年にアメリカの金星探索機の窓に合成ダイヤモンドが使われていた話は有名です。
現在では、合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同様に宝石として利用されています。
合成ダイヤモンド(人工ダイヤモンド)のジュエリーは、「エコロジー」や「エシカル」な考え方の人に支持されて人気もあります。
あなたのお持ちの宝石や、生前整理などでもらった宝石が本物か偽物かが気になりませんか?
▶ 宝石の本物か偽物かを簡単に見分けが付く方法はあるのでしょうか?
合成ダイヤモンドの価格
合成ダイヤモンドの価値や価格が気になりませんか?
天然ダイヤモンドの場合には品質を表す「4C」で、大方の価値や価格が決まります。
合成ダイヤモンドは市場では、天然ダイヤモンドの「同一クラスの約1割」の値段で取引されているようです。
かなり安い価格で取引されていて驚きますが、それだけ天然ダイヤモンドの方が貴重さがあると言う事です。
天然ダイヤモンドの場合は自然が創り出した宝石ですから年々採掘量が減少しますが、合成ダイヤモンドはいくらでも作れます。
この事からも、天然ダイヤモンドと比べてもかなり安価で手に入れる事が出来るんです。
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天然ダイヤモンドの価格
天然ダイヤモンドは、人の手が加わっていないダイヤモンドです。
地球内部のとても深いところの高温、高圧の中で結晶されて、しかも何十億年前に生成された原石もあるそうです。
ところが、天然ダイヤモンドは「鉛筆の芯」と同じ「炭素」ですから、驚きませんか?
地球内部の高温高圧で結晶しただけに地球で最も硬い鉱物と言われ、傷が付きにくく、屈折力が高いのが特徴です。
宝石としての希少性に優れていて、25トンのキンパーライトから宝石用の天然ダイヤモンドは、わずか「1グラム(0.2グラム)」しか得られません。
女性の憧れの1カラットのダイヤモンドですが、重さはわずか「0.2グラム」しかないのです。
しかも、ラウンドブリリアントカットの場合では、1カラットといえば上から見て「直径6.5ミリメートル」の大きさです。
また天然ダイヤモンドは、宝石の鑑定鑑別が一番確立されていて、価格や評価は「4C」で行われています。
ダイヤモンドの価値と価格の決め手は、「色(color)」・「カラット(重さ:carat)」・「クラリティ(内包物:clarity)」です。
それに、天然ダイヤモンドのキラキラと輝く要素になるのが大事な「カット(プロボーション:(cut)」が基準となる「4つのC」で表示されます。
宝石の多くは「鑑別書」が発行されますが、天然ダイヤモンドの場合には、一粒の石に対して「鑑定書」が発行されます。
ですから、たくさんの小さなダイヤモンドを使用したジュエリーには発行されません。
天然ダイヤモンドの「4C」の意味は、下記からご覧いただけます。
▶ 宝石 ダイアモンドの「4C」の意味や賢い購入方法の決め手とは
天然石を美しくする処理方法
多くの宝石に施されている「加熱処理」
だれでも高価な宝石を買うなら「天然石」が欲しいと思います。
地球上には沢山の宝石があるように思われますが、限りある自然界の贈り物である天然石は貴重で、その価値は高いものです。
少し夢を壊しますが、ところがジュエリーとして宝石店に並んでいる宝石は「天然石」と表示していても、未処理の宝石はほぼありません。
自然のままの状態で美しく輝いている宝石は意外に少なく、実際には人間の手により何らかの処理を施されているんです。
宝石の処理方法
■ 加熱処理:原石に熱を加えて宝石の色を鮮やかにする(ルビーやサファイアなど)
■ 含侵処理:原石内部の亀裂に無色オイルをしみ込ませて、亀裂などを目立たなくして、発色を良くする(ヒスイやエメラルドなど)
無処理の天然石で美しいものは希少で、無処理だけになれば、流通量は激減して宝石店の店頭にも並ばずに、価格も高騰します。
宝石の処理は、原石が本来持ち合わせている潜在的な美しさを引き出す方法で、産出に限りがある宝石を流通させるのに大事な事です。
加熱処理に関しては、本当に多くの宝石が宝石店に並ぶ前に施されています。
宝石は地球内部で高温高圧(加熱と加圧)によって出来たものですが、その過熱が足りない分が多数あり、美しさが損なわれています。
それを人の手を加える事で加熱する事で、美しい色の宝石が誕生します。
ただ、加熱すればすべての宝石が美しくなるわけでもなく、美しくなる素質を持つものだけがなり、ならない宝石も多く存在します。
加熱処理ですべての宝石が美しくなれば、市場に流通する宝石は美しい石だけになりますが、現実は上手くなっています。
宝石処理は、美しいものはより美しく、そうでない石はそれなりに、あくまでも宝石のもつ潜在的な美しさを引き出すものなんですね。
▶ 宝石は美しくするために整形の処理をしている隠された真実とは