ジュエリーなどの宝飾品にシルバーが多くて楽しいです。
金やプラチナジュエリーと比べるとお手頃で買えるのも魅力です。
ところで、最近見かけるスターリングシルバーとはいったい何?
銀と何が違うのか、また純銀の意味は何なんでしょう。
そんなスターリングシルバーと、シルバー(銀)に関して書いてみます。
目次
スターリングシルバーとは
スターリングシルバーの意味
スターリングシルバー(sterling silver)とは、銀(純銀)の含有率が925パーミル(92.5%)含まれている銀の合金です。
純銀では柔らかすぎるので、ジュエリーなどの製作用には製品の強度を高めるために割り金を75パーミル混ぜます。
割り金には、主に「銅」やアルミニュウムを少量を加えて銀合金にしたものが、スターリングシルバーとなります。
スターリング(sterling)と言う単語は、「本物」や「信頼できる」と言うような言葉の意味があります。
イギリスの銀貨が法定の純度を保っていて、とても信用性があることから転用されたとも言われます。
一般的に銀製品は、純度925が一番硫化しにくく、変色や酸化にも耐久性が良いとされ、2012年のロンドン五輪のメダルもスターリングシルバーです。
ロンドン五輪のメダルは、通常よりも銀の含有率が965パーミルで純度が高くしてあります。
スターリングは、適切な熱処理を行いますと時間と共に硬さを増す特徴があり、銀合金の中でも最も優れた特徴があります。
そこで、貴族の富の象徴のテーブルウエアや家具調度品に多く利用されていて、最近ではジュエリーなどの宝飾品に多く利用されています。
日本では、シルバーのジュエリーや食器類などでは「シルバー925(silver925)」や「SV925」などと刻印されて広く利用されます。
スターリングシルバーの名前の由来
12世紀の頃、東ドイツのEasterlingと呼ばれる貨幣鋳造家がイギリスでスターリング・ポンド(銀貨)の鋳造技術を教えていました。
それで、この銀の品位を「スターリング」と呼ぶようになったそうで、1300年代にイギリスの法定品位になりました。
それから1920年まで、イギリスの銀貨は「純度925」のスターリング材で鋳造されたそうです。
その後は品位を500(純銀の半分の純度)に落とし、1947年以降はプルーフ貨幣以外には銀貨は鋳造されていません。
しかし、現在もイギリスの通貨ポンドの正式名称は「pound sterling」です。
イギリス以外の他のヨーロッパ諸国の本位銀貨は、オランダが945パーミル、ポルトガルが917パーミルの高品位材で鋳造されています。
一般的には900パーミル材を用いる場合が通例だそうで、これを「コインシルバー」と呼んでいます。
そもそも「純銀」とは
純銀とは
銀(ぎん:silver)は、銀白色で金属光沢を帯びていて、白銀(しろがね:白い金属)と言われ、割り金してジュエリーや記念品、食器などに利用されます。
元素記号のAgは、銀を意味するラテン語の「argentum」に由来していると言います。
銀を利用していた歴史はとても古くて、紀元前3000年頃には、人類の生活様式の舞台に登場していました。
古代において銀が利用され始めた頃には、今では信じられませんが金よりも高価な取り扱いをされていたそうです。
古代エジプトや古代インドにおいては特に貴重な高価な貴金属として取り扱いされて、古代エジプトでは金に銀メッキをした宝飾品も存在しています。
理由は、金が自然金としてそのまま産出される事が多いのに対して、銀は自然銀として見つかる事は非常に稀であったからです。
現代では、金の方が銀よりも数段も高価で、銀に金メッキをするのが当たり前です。
ところが、精錬の方法が向上してきますと、銀鉱石からの生産が増加して銀の価値は金に比べて段々と低下してきました。
銀の最大の泣き所は、変色や黒ずんでくる事ではないかと思われます。
★ 銀のジュエリーが黒ずんだ時の手入れで新品のように輝くには
シルバー(銀)の宝飾品としての利用
シルバー(銀)の魅力
銀は、その白い独特の輝きから宝飾品として広く利用されてきました。
金やプラチナなどの貴金属の中では比較的に産出量も多くて安価で入手でき、日本では特にシルバーアクセサリーとして人気があります。
銀のジュエリーで人気はティファニーで、若者向けの宝飾品として人気が高く、最近は一般的にも用いられています。
このようにジュエリーやアクセサリーとして利用されるん場合には、変色や黒ずみを防止するためにロジュウムなどでメッキが施されます。
特にヨーロッパにおいては、銀食器の使用はステータスを示すものとして珍重されてきました。
ナイフ、フォーク、皿、燭台、ポットなどや多種多様な銀食器が製造されて、銀が比較的に安価になってステータスの象徴でなくなっても銀食器の珍重は続きました。
また、銀は金ほどではないですが展性に優れていて薄く延ばしやすい特徴もあり、銀箔や絵の具(銀泥)としても利用されます。
宝飾品などとして利用する場合には、純金(純度1000)では柔らか過ぎてキズなどが付きやすい上、酸化しやすくすぐに黒ずむ性質があります。
そこで、他の金属を混ぜ合わせ(割り金)して合金として利用します。
日本では割り金には一般的に銅を混ぜますが、加工性や高硬度のために他の添加金属を用いる場合もあります。
シルバー(銀)のカラー配合
プラチナを混ぜた「プラチナシルバー」や、金やパラジュウムを混ぜた「シルバー」。
また、色合いを変えた「イエローシルバー」や「ピンクシルバー」、「グリーンシルバー」などの種類があります。
■ Silver1000(SV1000):純銀
ピュアシルバーと呼んでいます。
■ Silver900(SV900)「コインシルバー」
各国の銀貨の多くがこの配合であるのでこの名前が付いたと言います。
■ Silver925(SV925)「スターリングシルバー(品位記号 Sterling)」
イギリスの銀貨の品位であり、宝飾品用としても最も多い品位で、硬度や耐久性にも優れています。
■ Silver958(SV958)「ブルタニアシルバー(品位記号 Britannia)」
その名前の通り、一時イギリスがスターリングシルバーから銀貨の品位を高めてこの割合にしたためにこの名前が付いています。
しかし、この割合では軟らかすぎるために元のスターリングシルバーに戻されたいきさつがあります。
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