9月誕生石として人気の高い「サファイア」。
そんなサファイアの中で、六条の線が美しく出るのが「スターサファイア」です。
どうして、美しいスターが現れるのか気になり調べてみました。
また、スターサファイアの価値や宝石言葉はどうなのかも気になります。
目次
スターサファイアの意味
サファイアの中にも特殊なものに、六条のスターが出るスターサファイア(Ster Sapphire)があります。
コランダム(鋼玉石)の中でカボッションカットされていて、光線に反応して輝く六本の神秘的な線をデリケートに交差させるものがあります。
それをスターまたは、アステリアといい、それが瞳のような光彩を石の中に閉じ込めているようにも見えます。
光を当てますと、見る角度によって六条が左右に動きとても不思議な魅力があります。
コランダムの中で、赤色系をスタールビーと呼び、空色及び、紺色系のものをスターサファイアと呼んでいます。
ですから、サファイアとルビーが「姉妹石」と同じく、スターサファイアとスタールビーも「姉妹石」なんです。
サファイアに六条のスターが出来る理由
内包物が多いサファイアの中には、内包物が針状に密集して入り込んで結晶となっている石がまれにあります。
この鉱物の結晶が石の六角柱面に並行に分布していますと、それが希少価値の高いスターサファイアの原石です。
この原石を山高になるようにカボッションカットしますと、結晶は光の入射を受けて60度の角度で交差する光の帯となり石の上に浮かびあがります。
これが石の中心から美しく6条の線となり浮かび上がり、これをアステリズム効果、別名スター効果といいます。
スターサファイアの価値と評価の仕方
スターサファイアは下記の4点で評価しています。
①色、②インクルージョン(内包物)、③輝き(テリ)、④六条の線の出方というこの4点で評価しています。
最高級の価値と評価が与えられるのが、濃い青色が鮮やかなインクブルーのスターサファイアで、しかも六条の線がくっきりと浮かび上がっているものです。
当然ですが、石の内包物の状態、石の形などのバランスも価値と評価の算定には重要となります。
ところが、色の面でいえば最高のインクブルーに近い濃さになればなるほど評価は高くなりますが、その分、六条の線が出にくくなる皮肉もあります。
スターサファイアで、2カラット以上ある美しいくスター効果のでる石は今後も財産価値は上昇すると考えられています。
スターサファイアの産地
スターサファイアの産出は、かってはビルマ(ミャンマー)産とスリランカ産が中心でした。
ビルマ産スターサファイアの産出は、モゴク鉱山から産出されるものが高い評価を得ていましたが、現在は良質の産出が激減しています。
今は、質、量ともにスターサファイアの産出の中心となっているのがスリランカ(昔はスリランカ)です。
ラトウナブラ鉱山から深みのあるインクブルーのスターサファイアを産出しています。
ですが、5カラット以上の大粒で良質のスターサファイアとなりますと、量的にも減ってきていて高騰の要因となっています。
そこで、今後産出地として注目されているのがマダカスカルです。
イラカカやベザハ鉱山から、スターサファイアが採れるようになり、現在市場に出回っています。
しかし、大粒で、色、スター効果の全てを兼ね備えた良品は非常に少なく、最近では最高級の逸品となると市場に出なくなりつつあります。
スターサファイアの宝石言葉
スターサファイアの美しい光の帯は偶然では片づけがたい内包物の芸術作品ともいえます。
古来から、世界中の人々はスターサファイアに奇跡を見出し、特別の力が宝石の中に宿っていると信じていました。
キリスト教の聖職者たちは、六条の線に「信頼」「運命」「希望」が宿っていると身に着けては神と人間との結ぶ象徴になると崇めていました。
また、ヨーロッパの人々の間では、幸運の舞い込む石としてしても信じられ、産出地のスリランカでは魔法除けのパワーがあると考えれれています。
このように、各地でスターサファイアは特別な力が宿った宝石として愛された歴史があります。