宝石・貴金属を断捨離して、買取の相談をする人が増えています。

今回、お客様からの買取の依頼で「刻印」が怪しい品がありました。

見た感じは、年代を感じるリング(印台)ですがなんか怪しい気がします。

そこで、検品したらとんでもない代物でした。

 

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断捨離された貴金属の中で違和感のある印台が怪しい?

断捨離のお手伝いをして、数点の宝石や貴金属を調べて見ました。

Pt900のパールの指輪や、他のリングには問題がありませんでしたがこの印台の刻印が不自然です。

んんん・・・?

長年の経験上、この印台には刻印(Pm900=Pt900)も押してありますが何か違和感もあり軽い感じがしました。

こんな時には、試金石と硝酸で検査すると「本物」か「偽物」が簡単に分かります。

その検査内容を書いてみます!!

 

年代を感じるリング(印台)は本物なの?

検査1:「Pm900」の刻印がある印台が何か怪しい!

見た感じは、年代を感じる指輪「印台」ですが、遺品整理の品でもらったとの事です。

これからも使用することもないので、今回、断捨離して買取してもらい換金処分するといいます。

刻印(Pm900)もあり、問題はないと思いましたが、長年の経験上、手に持った時に変な違和感を感じましたので検品しました。

お客様からお預かりした時点で、印台の内側をルーペで見ると「Pm900」の刻印があります。

作りもしっかりしている割には、長年の買取での経験上、いくつも検品しているので持つと本物か、偽物かが分かります。

この印台は、何か肌に触れた感触が不思議な違和感と、持った感じが少し軽い気がします。

通常この大きさの印台ですと、5匁(一匁は3.75グラム)18.75グラムあるはずですが少し軽い気がします。

そこで、検品すると、その結果、とんでもない事実が判明しました。

検品した結果の前に、印台についてご存知ない方のために下記で説明してみます。

 

そもそも「印台」とは

「印台」とは何か、ご存知ない人もいるかもしれません。

印台の歴史は古く、映画等でご覧になったかもしれないシーンですが、多くは男性が愛用して着けている指輪のことです。

古くは、ヨーロッパの貴族達が手紙を勝手に破り中を見られないように、家の紋章を入れた指輪をつけていました。

使い方は、封筒などの封印に赤蠟(ろう)を押し付け、型押しして不正の防止に使用していたそうです。

そもそも印台は、日本独自の指輪のように思われていて、成金や年寄りが着ける男性用指輪の代名詞でした。

日本では、印面に印鑑彫り(名字)を施し印鑑(ハンコ)として使用されたこともあり、それで、印台と呼ばれるようになりました。

古い話ですが、純金(K24)の重い印台を着けて旅行に出かけ、盗難に遭った時には近くの「質屋」で当座のお金の工面が出来るので着けていたという話です。

ヨーロッパ、東南アジア、中国では、印台はお金持ちのシンボルとして金の指輪として広く流通しています。

また、各種学校のマークや、スポーツチームの統一リングの「カレッジリング」も印台の一種となります。

 

印台の種類

印台の種類にも色々な形があります。

印台の形状は最も広く流通しているのが画像のような「三味型(しゃみがた)」と呼ばれているものです。

三味線の胴の型に似ているので三味印台と古くから呼ばれるようになりました。

印台の種類

正角(せいかく)印台:正方形の印台です。

横長角(よこながかく)印台

縦長角(たてながかく)印台:長方形の形です。

他に楕円形の印台もあります。

楕円形の印台の種類には、丸印台、縦小判(たてこばん)や横小判(よここばん)、別名は樽印台(たるいんだい)とも言います。

検査2

印台を試金石で検査します!

検品する怪しい刻印(Pm900)の印台を試金石で擦(こす)り、検査します。

Pm900の刻印だから怪しいのではなく、古いものでは、Pt900やPt850を、Pm900、pm850と刻印してあるものもあります。

まず最初に試金石に、印台を擦りつけて擦り傷をつけます。

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検査3

■ 印台試金石検査3

印台を試金石に擦り、擦りキズをつけます。

そこに検品するための硝酸を数滴たらしてみます。

本物ですと、硝酸では擦り傷が消えることがありません。

 

検査4

■ 印台試金石検査4

硝酸を数滴たらしました。

 

検査結果

印台試金石検査結果

画像の通り、擦り傷が消えてなくなりました。

検査の結果は、貴金属の素材はPm900(プラチナ900)ではありませんでした。

素材は、銀の925で、それにロジュームメッキを施したもので価値のない印台です。

10グラムなので、買取価格は「600円」でした。

 

印台で良く見かける貴金属の種類

最近は、画像のようなオシャレな印台(メンズリング)も出回っています。

断捨離して、買取する貴金属でよく見かける貴金属の種類は下記のようなものです。

銀色系: プラチナ(Pt1000.Pt950.Pt900.Pt850)

銀色系: 銀(SV1000.SV925.SV900)

銀色系: K18WG・K14WG(WG:ホワイトゴールド)

金色系: 純金(K24) ,K22,K20,K18,K10,K9)

K10(10金)には、K10ホワイトコーティング・K10イエローゴールド・K10ピンクゴールドなどがあります。

最近は材質がチタンやステンレス、タングステン製もあります。

また金色に見えても、実は材質が、銀に金のコーティング(表面メッキ)した、金ではないものが流通しています。

明らかに刻印だけでは信じられない商品も多く、特に外国製には怪しいものや金位の詐称も多くあります。

14K、18Kのように、金位が後に付くのは「あとK」と呼び、純度の低い怪しい製品も多いです。

どの買取店でも、買取する時には刻印は一応参考にしますが、検品は必ずいたし刻印は信じていません。

貴金属の種類により、買取する価格が大きく違いますし、偽物なら換金処分できずお金にはなりません。

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