宝石逸話によく登場する歴史上の有名な人物は「クレオパトラ」です。
エメラルドを愛し、そしてパールもこよなく愛していました。
クレオパトラと「パール(真珠)」には物凄い逸話もあります。
そんなパールに関する話と、冠婚葬祭の主役としての選び方も書いてみました。
目次
6月誕生石 パール(真珠)の意味と宝石言葉
パールは「宝石の女王」とよばれる世界五大宝石の一つです!
パール(Pearl)は人気の6月誕生石で、和名は「真珠(しんじゅ)」です。
鉱物である宝石は研磨されて美しい輝きが生まれますが、パールは天然のままで宝石として完成されます。
パールは女性のための宝石
愛らしい丸い形といい、おだやかで優しい光沢といい、女性らしさを象徴する宝石です。
パールは、鉱物である他の宝石とはまったく異なる輝きで、やわらかいぬくもりを感じます。
では、パールはどのように出来るのでしょうか?
海からの奇跡の愛の珠
パールは、母貝(真珠をつくる親貝)に入り込んだ異物(自然のものや人工的な核)に対する防護反応によってつくられます。
母貝が自らの痛みを美しい輝きへと変えていく過程で生まれるパールは、出産の痛みを乗り越え、子供を誕生させる女性の生命力の姿と似ていて、いとおしさを感じます。
結婚式で花嫁の胸元を美しく飾るパールは、若い女性の処女の象徴ともいわれ続けています。
生理不順などの女性特有の悩みを解決するとされて、妊娠や安産のお守りや女性の厄年の厄払いにもよいとされています。
パールは別名「月のしずく」とか「人魚の涙」ともいい、ロマンティックな表現で多くの女性に愛されています。
パール一口メモ
■ 宝石のことば:健康、純真、長寿
■ 結婚記念日:30年目の結婚記念日(真珠婚式)
■ 結晶系:潜晶質
■ 透明度:不透明
■ 硬度:3.5~4.0(サンゴとほぼ同じ)
■ 比重:2.66~2.85
■ 誕 生 花 : 野ばら(素朴な美)
宝石誕生石 6月パール(真珠)の主な産出地
主な産地は、日本、中国、オーストラリア、ミャンマーですが、各国により産出されるパールは違います。
一口にパールといっても色々な真珠の種類が豊富にあります。
アコヤ真珠
主な産出地は三重県、長崎県、愛媛県です。
アコヤ貝から採れる真珠で、日本の真珠の代表です。
月日をかけて生成される真珠層が美しく、巻きにより微妙な色合いをだすので、真珠としては最高レベルで「本真珠」とよばれています。
しかし、母貝の大きさが約10センチと小さいので8ミリ以上の大粒が少なくて、5.0~7.0が主流です。
8.0ミリ以上になると生産量も少なくなり希少で価格も高くなります。
白蝶(しろちょう)真珠
主な産出地は、オーストラリアやミャンマーなどで、白蝶貝から採れる真珠で「南洋真珠」と呼ばれています。
真珠貝の大きさは母貝が大きいので10~13ミリで大粒の真珠が採れます。
黒蝶(くろちょう)真珠
主な産出地は、タヒチや沖縄近海です。
黒蝶貝から採れる直径が10~11ミリの大粒な真珠で、シルバーや黒色の真珠。黒蝶真珠ではピーコックカラーが最高とされています。
マベ真珠
主な産出地は、奄美大島です。
マベ貝から採れる、半球(ドーム型)の真珠で、青味がかった虹色、ゴールドなどの色彩も豊かです。
熱帯、亜熱帯の地域に生息していますが、中でも奄美大島のマベ真珠が美しく最高級品といわれています。
淡水真珠
主な産出地は中国が多いです。
川や湖水などの淡水のなかで育った、池蝶貝から採れる、真円ではなく米粒状やスティック状などのさまざまな形に成長して色々な色があります。
最近は技術の進歩で大粒の真円に近い淡水真珠もあり、アコヤ真珠に比べますと割安感が人気です。
ただ、日本の本真珠に比べますとテリ(光沢)や色が淡白な部分もあります。
6月誕生石 パール(真珠)の歴史
クレオパトラの胸元を飾った、古代の最も高価な宝石はパールでした。
天然パールの歴史はとても古くて、ヨーロッパでは紀元前からすでに宝飾品や装身具として使われていました。
世界三大美人といわれたエジプト女王のクレオパトラが美貌と魅力でした逸話
パールで有名な逸話が「クレオパトラの真珠」です。
紀元前40年頃のローマ皇帝シーザー亡き後に、クレオパトラ自慢の美貌と魅力で、時の権力者アントニウスを味方につけようと宴会をします。
その時クレオパトラは身に着けていたパールのイヤリングの片方をはずして酢に入れて溶かし、アントニウスの目の前で飲み干し、自分の力を見せつけたそうです。
当時のパールは、ルビーやエメラルドよりもはるかな高価で、俗説によれば、パール一粒で国がいくつも買える高値でした。
クレオパトラの行為は、その場に居合わせた人々の度肝を抜き、想像を超えたと思います。
この事で、アントニウスがクレオパトラに恋に落ちたかどうかは私は分かりませんが計画的ですね。
6誕生石 パール(真珠)購入時のポイント
巻き(真珠層)が厚く、テリ(光沢)が美しいものを選んで下さい。
宝石店では、日本産のアコヤ真珠のことを「和珠(わだま)」と呼ぶこともありますが、本真珠のことです。
パールの良し悪しは核を取り巻く真珠層である「巻き」だと言われます。
ただ、巻きの厚さの薄い、厚いは素人目には分かりにくいですが、良いものは輝きがしっとりしています。
巻きの厚い真珠は艶の良い光沢で、真珠表面に自分の顔が写ります。
次に「形」と「大きさ」ですが、「ラウンド(真円)」がよく、真珠の無難な大きさは7.0ミリ前後だと思います。
色は自分の好みで、白色ピンク系でテリがあり、表面にエクボがなく独特の深みと柔らかい色目が良い品です。
最後にご自分で着けてみた感じの連相が色むらなく、美しいかどうかを鏡で映し出します。