宝石の美しい輝きが人為的に造られたとしていたら、あなたは信じられますか。
もともと、ナチュラルで美しい宝石はありますが、かなり少なく希少です。
では、天然石はどのように整形して美しくするのでしょうか。
目次
宝石の美しさは本物、それとも偽物?
このCMは人間心理を表しています!
宝石の処理について物語っているようなCMです。
今は亡くなられた樹木希林さんと岸本加世子さんで、ACC(一般社団法人 全日本シーエム放送連盟)グランプリ受賞作です。
私の年代の方は記憶もあるかもしれませんが知らない方に説明します。
そのCMはフジカラーのカメラフィルムの説明ですが、一世風靡しました。
今は、スマホの時代で一般の方は殆どの人は旅行に行くにもカメラは持参しません。
そのCMで、岸本加世子さんが話している「綺麗な人はより美しく」「そうでない人はそれなりに」という説明があります。
ココの部分ですが、宝石にも同じことが言えて、すべての宝石で人間が手を加えても美しくなるとは限らないんです。
宝石店に並べてある宝石は天然石の色ではありません
だれでも貴重なお金で宝石を買いますから、買うなら「天然石が欲しい」と思います。
しかし、残念ながら店頭に美しく並べてある宝石のほとんどが天然石の色ではなく何らかの整形(処理)して美しくしています。
ええ~!! それでは本物ではなくて、偽物なの?と思われます。
これからご説明しますが、ジュエリーとして店頭にならんでいる宝石を店員さんに尋ねると「天然石」と説明します。
また「天然石」と表示もしてありますが、このような表示がしていても自然のままの状態のものは意外に少ないです。
市場に出回っている宝石の多くは人間の手で何らかの処理をして美しい「宝石」となり、店頭に並んでいます。
そこで先ほどのCMの話ではありませんが、女性は素顔でも美人の方は美人で、その素顔に少しお化粧をしますとより美しく変身します。
宝石も人間が手を加えて元が良い宝石は処理する事でさらに美しくなります。
現在、市場に出回っている宝石は殆ど整形美人(処理をした美しさ)です。
宝石は殆どが整形美人です!
多くの石は加熱処理や他の処理を施してある事実
宝石の美しさを保つには、画像の女性のようにお手入れをするのは大事なことですが、宝石そのものを手入れ(処理)をして美しくする方法があります。
以前は処理の仕方を「エンハンスメント」と「トリートメント」として表示していました。
平成16年9月1日からは可能な限り処理の内容を表記してあります。
天然宝石(ナチュラルカラー)の非加熱で美しい宝石は本当に少ないです。
宝石鑑別書に「天然○○○〇には、一般的にエンハンスメントが行われています」というコメントが記載されるのを見かけると思います。
最近は「通常、色の改善を目的とした加熱が行われています」このようの書いてあるものがありますので鑑別書があればご覧ください。
エンハンスメント処理の仕方は原石に熱を加える「加熱処理」宝石の色を鮮やかに美しくします。
宝石 ルビーやサファイアにも処理がしてあります!
■「含浸処理」は内包物の多い宝石に処理をします。代表的な宝石はエメラルドです。
無処理の天然宝石(ナチュラル)だけを求めますと流通量は激減して価格も高騰して一部のコレクターにしか入りません。
処理は宝石の潜在的な美しさを引き出し産出量に限りある宝石を多くの人に楽しんでいただくために必要なことなんです。
トリートメント処理は宝石価値が損なわれますのでお薦めしません。
原石を完全に改変していまい白色を青くしたり、赤くしたり、色を濃くしたりと変えてしまう事です。
宝石の鑑別書を見れば、殆どの鑑定機関では「色の改変を認む」と但し書きしてあります。
女性は美しくなるのに整形します。整形とは本来の姿に施術して美しく見せます。
宝石も処理してより美しい姿に生まれ変わりますが、トリートメント処理は元の姿を変えて別人にするのと同じことです。
なので、楽しむには良いですが、将来「生前整理」して換金のための「買取」では宝石本来の価値がありません。
宝石の簡単な分類
天然石
■ 自然の鉱山から産出した「天然石」のことで、無処理と処理をしたものの二つに区分されます。
合成石
■ 人間が天然石と同じ成分で化学組織と結晶構造を天然石と同じように作った人工宝石。
■ 見かけは天然石と同じようでも純粋性が非常に高く美しすぎます。
人造石
■ 人間が意図的につくった宝石で自然界ではまったく存在しないもの。
模造石(イミテーション)
■ 外見上は本物に見えても内容や構造成分が宝石元来のものとはちがい、ガラスや陶器、プラスチックでつくられたものです。
張り合わせ石
■ 異なる種類の石を張り合わせる事により、より美しく鮮やかにみせているもの。
■ ブラックオパールのダブレットやトリプレットが代表的です。