宇宙からのプレゼントされた、シリカガラスはご存知でしょうか?
また、シリカガラスはツタンカーメン王ともかかわりの深い宝石です。
宇宙宝石と呼ばれるものは、遠い宇宙のかなたから隕石として落下したものです。
宝石種類には、ペリドット・テクタイト・モルバナイトなどもありますからご紹介いたします。
目次
宇宙宝石とエジプトの関係とシリカガラス
宇宙宝石のシリカガラスの意味
シリカガラスは「石英ガラス(せきえいがらす)」とも呼ばれて、石英から作成されるガラスの事です。
また、シリカガラスは別名を産地にちなんで「リビア砂漠ガラス」とも言われていますが、どのように出来たかは謎の物質と言われています。
宇宙宝石と言われる所以は、約2900年前に隕石として落下してそれで出来上がった天然ガラスが「シリカガラス」と言われています。
エジプトではツタンカーメン王の黄金のマスクが有名ですが、その棺の一つのツタンカーメンマスクの目にシリカガラスがはめ込んであります。
現代ではガラスは珍しくはありませんが、天然ガラスの物質はほとんど地球上では存在していない鉱物になります。
エジプトの西部砂漠地帯(グレート・サンド・シー)の南には、地質上の謎ともされる「シリカガラス」の産出される場所があります。
リビアとの国境にほど遠いといわれるこの一帯で、キラキラと透明度のある美しい宝石のような黄緑色のシリカガラスが見つかる地球上で唯一の場所です。
この宇宙宝石をツタンカーメンの黄金のマスクの目に入れたエジプトの職人技には驚かされます。
シリカガラスの誕生
シリカガラスが発見されたのは1846年で、リビア東部のオアシスでクフラの有力者の使者が発見したそうです。
長年、学者たちがシリカガラス誕生のなぞに迫り、シリカガラスは、ガラスや陶器の原料となる二酸化ケイ素が2000度の高温で2分間にさらされないとできない事を調べました。
自然界で偶然に出来上がることななく、1996年にシリカガラスの誕生の「謎」が説明されました。
2850年前、巨大な隕石が地球に落下して地上に衝突した際に発生した強烈な熱で出来たと結論されています。
その時の衝突で、隕石の一部や地上の岩石などの物質が融けて空中に吹き飛ばされて、ガラス成分が冷えてシリカガラスが誕生しました。
なんと、その隕石の衝突の衝撃は「原爆の1万倍」の強力なもので、サハラ砂漠にはその結論を裏付ける直径31キロにも及ぶクレーターが発見されています。
シリカガラスと、エジプトツタンカーメン王
シリカガラスが宇宙宝石として有名になりましたが、1998年に新たな発見でさらに注目されました。
カイロのエジプト博物館に展示されていたツタンカーメン王の戴冠式用の胸飾りに、シリカガラスを使用していた事が発見されたんです。
この胸飾りは金や銀でできた装飾品ですが、その中にラピスラズリやトルコ石がちりばめられているどの宝石よりも大きなものです。
それは、当時のエジプトでは最高神とされていた太陽神ラーを表すコガネムシ(黄金虫)の一種「スカラベ」の形に加工されています。
その大きなシリカガラスは、胸飾りの中心にはめ込まれていて3300年前の古代エジプトの人が遠い産地まで行き拾った事になります。
この産出地のグレート・サンド・シーは、現在でもそこまでたどり着くのは難しい場所で、1970年代の初めまでは地図にも掲載されていない場所でした。
まして、地形がいつも変る砂漠や高温の中をGPSもない時代に、古代エジプト人はどのようのそこに行ったのか謎です。
宇宙宝石の3種類と意味
夜空を見上げますと無数の星が美しく煌いていますが、その惑星のかけらが時には隕石として地球に落下します。
隕石には地上に落下するまでに摩擦熱で消えてしまうものから、ボタンのような小さいものや岩の塊のようなものまであります。
地球に落ちてくる隕石は、私たちが流れ星として肉眼で見れますがそれらの多くは、火星と木星の間の「小惑星帯」から飛んできます。
小惑星帯は、小さなものから大きなものまで無数の惑星のかけらが沢山と浮かんでいる所です。
そこからやってきた惑星のかけらが地球の公転軌道上に入ったものが「流れ星」として夜空で見える「お願い星」でもあります。
流れ星が消える前に「お願い事」をすると、お願い事が叶うと古くから伝説として伝えられています。
多くの流れ星は大気圏の摩擦で燃え尽きて惑星の旅を終えますが、中には燃え尽きずに地上に落下するものがあるんです。
それらの落下物は、「流れ星の石と」言う意味の「メテオライト」と総称されています。
メテオライトには3種類あり、金属質の「鉄質隕石」と岩石質の「石質隕石」、そしてこれらの中間にあたるのが「石鉄隕石」などです。
これらがはるばる遠い宇宙からやってきた隕石と呼ばれている種類になります。
宇宙宝石「ペリトッド」
ペリトッドの意味
宇宙からやってきた宝石の最初のご紹介は「ペリトッド」です。
ペリトッドは独特のグリーンが特徴の宝石で、8月誕生石としても人気があります。
遠い宇宙を旅をして隕石として落下した「石鉄隕石」の中に、ペリトッドが含まれている事が分かったのですから驚きですね。
1772年に、ロシア(クラスノヤルスク)で巨大な鉄の塊(800㎏)を、ドイツの博物学者パラスが持ち帰りました。
この巨大な鉄の塊にはスポンジのような穴があり、そこには無数の黄緑色の鉱物が見つかり、それを調べると「ペリトッド」だったんです。
このことで、このペリトッドが宇宙からやってきた宇宙宝石として発見された訳です。
ペリトッドの鉱物名は「オリビン・橄欖石(かんらんせき)」といい、オリビンは地球のマントルの上部を構成する主な鉱物になります。
いわば、地球の内部に大量に存在している鉱物で、地球を形成している大事ななくてはならない貴重な鉱物になります。
それと同じペリトッドがはるばると宇宙を旅して隕石として地球にやってきたのですから、大自然の不思議には感動しませんか。
またペリトッドは、エジプト文明やマヤ文明でも利用されており、旧約聖書やキリスト教においても重要な意味を持つ宝石です。
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宇宙宝石「テクタイト」
テクタイトの意味
宇宙宝石として人気には「テクタイト」も一つで、宇宙からやってきた宝石として知られています。
過去から現在に至るまでには地球の歴史上において小天体が何度か地上に隕石として落下した事実が残っているそうです。
宇宙からはるばる飛来して地球上に落下する隕石は、現在1年間に2万個以上という説もあります。
隕石は日本をはじめ、国土の広いロシア、中国、アメリカなど世界上に落下していますが、落ちた場所でそれぞれ特徴があります。
テクトタイとの原石はとても宝石とは言えない位で、お菓子で例えれば黒かりんとうの茶色を黒くしたような感じです。
しかし、このブツブツ、ザラザラした見た目の悪い原石をカットしてみると、とても艶のある黒い輝きのある石に生まれ変わります。
キラキラと美しく輝くテクタイトの秘密は、天然ガラスから出来ている鉱物で、成分は地球上の鉱物と同じ主成分が珪酸の「天然ガラス質」の物質だからです。
テクタイトは、「オブシディアン(黒曜石)」にとても似ていて、発見される大きさは1センチから5センチ位の小ぶりが特徴になります。
宇宙宝石としてのテクタイトは、隕石として地球に衝突する時の圧力や熱によるエネルギーで溶かされて、空気中で飛び散って急速に固まり出来上がります。
発見される場所によって色が異なり、チェコ産の石は緑色が特徴で、ドイツ産はモルダウ川にちなんで「モルダバイト」と呼ばれています。
また、エジプトのリビアン砂漠産の石は黄色から白色をしていて、「リビアン・ガラス」と呼ばれています。
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宇宙宝石「モルダバイト」
モルダバイトの意味
モルダバイトの名前の由来は、プラハの南北に流れるチェコ共和国での最長の川、「モルダウ川」で発見されたからです。
地質学者が調べた結果、この発見した宇宙宝石は1500万年前に小天体が衝突した時にできたと思われました。
テクタイトとも明らかな異なる特徴の違いから「モルダバイト」と名付けらたそうです。
宇宙宝石と言いますが、厳密には鉱物ではない「天然ガラス」ですが、いまだにはっきりとした起源は分かっていません。
モルダバイトは隕石として地球に衝突する時には、約2400度を超える高温で蒸発して気化してから落下したためにこのような形になったしうです。
強力なヒーリング効果を持つパワーストーンとして、心身の負担を軽減すると愛好家に人気があります。
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